骨粗鬆症・慢性疼痛治療|【公式】新川新道整形外科病院|札幌市北区の整形外科

〒001-0925北海道札幌市北区新川5条4丁目2-8
011-763-0110
ヘッダー画像

骨粗鬆症・慢性疼痛治療

骨粗鬆症・慢性疼痛治療|【公式】新川新道整形外科病院|札幌市北区の整形外科

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は、骨の強度が低下して、骨折しやすくなる状態をいいます。骨折を起こすと身体機能の低下をきたし、生活の質が低下し、寝たきりになる場合もあります。骨強度の約70%は骨密度により決まり、残りの30%は骨質により決まるといわれています。女性ホルモンの低下とかかわりが深いといわれていますので、40代以降の女性では早めの骨密度検査をお勧めします。骨粗鬆症の治療の目的は骨密度の低下を抑え、骨折を防ぐことにあります。薬物療法、食事療法、運動療法を並行して行い、骨密度を高めましょう。

最新の骨粗鬆症治療のご提案(骨の若返り)

骨粗鬆症は、ヒトの平均寿命が50歳前後であった江戸時代にはなかった疾患です。生活レベルの向上、医学の進歩などにより平均寿命は躍進し、骨粗鬆症は今や、特に女性においては必ず罹患する疾患となりました。よって50歳を過ぎる頃からの検査と予防が非常に重要となります。骨粗鬆症に伴う高齢者の骨折は、寝たきり原因の第2位であり、健康寿命の短縮の原因となってしまっております。特に平均寿命が世界一の本邦では、骨粗鬆症治療が進歩しており、様々な治療薬が保険適応で処方可能となっております。当院では、大腿骨近位および腰椎で制度の高い骨密度測定を行い、また御希望の患者様には採血で骨代謝マーカー(骨形成:P1NP, 骨溶解:TRACP-5b)なども測定。骨の新陳代謝までチェックしてその患者様に適切な治療の選択が可能となっております。

「骨形成↑促進+骨溶解↓抑制」、「骨形成のみ↑促進」、「骨溶解のみ↓抑制」といった作用機序の分類があり、それぞれの分類で多数の治療薬が開発されております。皮下注射、静脈注射、点滴、内服、内服ゼリーなどの投与形態や、服薬インターバルもそれぞれによって異なります。価格もそれぞれ大きく差がございます。現在の骨の状態にあった治療を患者様のご希望もお伺いしながら薬の選択および組み合わせてご提案いたします。骨密度は約半年に1回測定が可能で治療効果を判定して方針を変化させていきます。将来の大腿骨骨折のリスクを軽減させたり、脊椎圧迫骨折で腰が曲がり、歩行能力が低下すると言った生活活動性低下を予防したりする効果があります。

骨形成↑

  • テリパラチド/副甲状腺ホルモン(皮下注射/毎日・週2回・もしくは週1回2年間)
  • カルシウム製剤(内服/毎日)
  • ビタミンD製剤(内服/毎日)

骨溶解↓

  • ビスフォスフォネート/破骨細胞阻害(内服・ゼリー内服・静脈注射・点滴/週1~月1~年1回)
  • デノスバブ/破骨細胞RANK阻害(皮下注射/半年に1回)
  • SERM/骨特異的女性ホルモン(内服/毎日)

慢性疼痛軽減への挑戦
(各種OpioidやSNRI等の処方に加え、SCS: Spinal Cord Stimulationの導入)(保険適応)

痛みは本来、身体の一部が負傷した場合にそれを自身へ知らせ、傷が治るまでその部位に負担をかけないようにするための、生体に備わったシグナル・防御反応です。
そのメカニズムは、身体に傷を負った際、末梢神経に痛みの信号が生じ、それが脊髄、脳へと伝達して、脳で「痛み」として認識されます。通常、傷が治りそこを防御する必要がなくなれば痛みの信号は消失しますが、傷が正常な組織に置き換わらず治ったり、末梢神経そのものに傷が残ったり、疼痛を抑制する機構(治っているから大丈夫だよと言い聞かせる神経の機構:下降性疼痛抑制系)に失調を生じたりすることで、疼痛が残存することがあります。それが慢性疼痛です。慢性疼痛は難治性ですが、それでも現在では様々な治療法が考案され、慢性疼痛の軽減にアプローチがなされています。

  1. 薬物療法(オピオイド, プレガバリン/ミロガバリン, SNRI 等)
  2. 理学療法

薬物療法

オピオイド

オピオイドとは、「中枢神経や末梢神経に存在する特異的受容体(オピオイド受容体)への結合することで除痛効果が得られる、モルヒネに類似した作用を示す物質の総称」で、植物由来の天然のオピオイド、化学的に合成・半合成されたオピオイド、体内で産生される内因性オピオイドなどがあります。「オピオイド=麻薬」というわけではありません。これまで通常の消炎鎮痛剤では効果が得られなかった神経障害性疼痛などへ、本邦でも化学的に合成・半合成されたオピオイドが使用されるようになり、一定の効果が報告されております。内服、貼付剤などがあり、内服が困難な患者様にも処方が可能です。副作用は嘔気や便秘などがありますが、整形外科で使用する量であればそれら副作用にも対症療法が可能で、高齢者で導入に恐怖感がある場合は、入院で調薬することも可能です。

プレガバリン/ミロガバリン

数年前までは「しびれ」や「神経障害性疼痛」に対しては、専門的に著効する薬剤はありませんでしたが、神経障害性疼痛治療のための薬として承認された内服薬です。神経の興奮状態や、しびれに対しても効果を発揮します。副作用は神経に作用する薬であるため、目眩感やふらつき、眠気を感じる場合があります。

SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

生体には前述のごとく、疼痛を認識する神経の経路(上行性)と、触覚・視覚・聴覚や記憶を元に、脳がその疼痛をフルに解析し、脳が「その痛みは大丈夫だから安心して」と疼痛を抑制する、下降性疼痛抑制系経路があります。その疼痛抑制系が失調を来すと、わずかな痛みや、通常我慢できる痛みを強い痛みと感じる場合があります。その下降疼痛抑制系を正常化することで疼痛を抑制するのが、SNRI(サインバルタ)の役割です。

理学療法

運動器の傷みの改善のめには理学療法が必須です。リハビリがどのように除痛につながるの?と疑問に感じられるかもしれません。リハビリは、関節周囲の筋の柔軟性を高め、関節を動かす多くの筋の協調性を高めることで、関節の動きをスムーズにし、肩関節や股関節では正しく円運動を行わせる求心性を正常化し、関節の痛みを軽減します。また、関節周囲の筋力をアップすることで、関節にかかる負担、もしくは他の筋肉にかかる負担を軽減し、除痛に繋がります。人間の身体は歳を重ねても筋力はアップすることが可能で、リハビリをそういう点からも重要と考えます。